期限ありCFDには取引の期限があり、期限なしCFDには原則として満期がありません。選ぶときは、保有を終える日と、その日までの費用を一緒に確認します。期限の有無だけで安さや長期保有への適性は決まりません。

期限の有無で変わる3つの確認点
| 比較する点 | 期限なし | 期限あり |
|---|---|---|
| 保有を終える日 | 原則として満期を定めない。取扱終了などの例外とロスカットに注意 | 契約ごとの最終取引日時・清算方法を確認。希望する保有終了日より先に満期が来ることがある |
| 参照価格 | 現物や先物を基に会社が価格を構成する。期限なしでも先物価格の影響を受ける | 指定限月の先物などを参照。別限月・期限なしと同じ価格とは限らない |
| 持越しの費用 | 金利・ファンディング・調整額を商品別に確認 | 価格に含まれる費用と、別途かかる持越し費用を会社別に確認 |
「限月」は、先物契約が満了する月を区別するための表示です。同じ原資産でも、限月、取引単位、通貨が違えば別の契約です。CFDと取引所先物そのものの違いは、CFDと先物の比較で確認できます。
期限ありの持越し費用は会社によって違う
IG証券の日本向け案内では、期限ありの株価指数・商品CFDに別建ての日越えファンディングはかかりません。ただし、期限までの費用は取引価格に含まれ、期限なしよりスプレッドが広いと説明されています。「日越え金利なし」は取引全体の費用がゼロという意味ではありません。
一方、サクソバンク証券では、限月のある取引を原資産とするCFDを翌日に持ち越すとキャリングコストが発生します。基準は必要証拠金と料率で、銘柄ごとの取引条件で確認します。取引総額を基準とする別商品の金利式をそのまま当てはめないでください。
期限なしの商品CFDでも、先物を参照して価格が構成されることがあります。IGの商品詳細では、エネルギー・農産物などの対象銘柄に、先物曲線に沿う調整とアドオンを用いる方式が説明されています。貴金属などの方式とは分けて確認します。限月間の価格差や調整額の受取りだけを、取引の利益と考えないことも大切です。
5日・20日・30日で費用を比べる架空例
まず、同じ原資産・同じ数量・同じ通貨・同じ売買方向・同じ終了日で比べます。単なる「1ロット同士」は取引規模が揃わないことがあります。費用はスプレッドのポイント幅を取引全体の金額に直し、別建ての手数料、持越し費用、両替費用、必要な乗換え費用を足して考えます。
以下は説明用の仮定です。実在する会社の料金ではありません。A・Bは同じ円建て原資産を同じ数量で買い、いずれも30日まで取引可能とします。売買時の費用と日次費用は一定で、価格変動、追加手数料、両替、調整額、乗換えを除きます。「日数」は費用計算の対象日数であり、営業日数や口座に記帳される回数ではありません。
Aは期限なしで売買時の費用200円・持越し1日40円、Bは期限ありで売買時の費用800円・持越し1日10円と仮定します。Bに持越し費用を設定したのは、期限ありでも別料金がかかる契約を比較から落とさないためです。
| 費用対象日数 | A:期限なし | B:期限あり |
|---|---|---|
| 5日 | 200+40×5=400円 | 800+10×5=850円 |
| 20日 | 200+40×20=1,000円 | 800+10×20=1,000円 |
| 30日 | 200+40×30=1,400円 | 800+10×30=1,100円 |
この仮定では20日で同額ですが、実際の金利、先物曲線、スプレッド、必要証拠金、為替などは変動します。週末・休日の複数日分をまとめて計上する商品もあるため、単純に「画面の1日分×保有日数」とせず対象日数を確かめます。20日という数字を実際の商品の選択基準に使わないでください。
これは注文前に費用を比べる例です。約定後の売買価格にはスプレッドが反映されるため、実際の損益から再びスプレッドを引くと二重計上になります。明細との照合は、CFDのコストと損益計算の約定価格による例を参照してください。
満期を越えて保有したいときの確認手順
- 会社側の最終取引日時を控える。銘柄・限月・時刻・表示の時間帯を確認します。原市場の取引所カレンダーと会社の期限が同じとは限りません。IGの商品詳細では「清算情報」の「取引最終日時」、サクソバンクでは取引条件を確認します。
- 期限到来時の処理を読む。IGの商品先物CFDは自動清算され、自動で次の限月へ乗り換わりません。清算は公式価格に同社スプレッドを加減する方法が案内されています。ほかの会社や商品も同じとは扱わず、清算価格・費用・自分で決済できる最終時刻を確認します。
- 次の契約を別に点検する。乗換え可能な商品では、次限月の新規可否、数量、通貨、必要証拠金、スプレッドと持越し費用を確認します。古い契約を決済して新しい契約を建てる場合、両方の売買費用を比較へ含めます。
- 建玉と未約定注文を分けて確認する。指値・逆指値などが旧限月のどの建玉に紐付くか、新しい建玉にも必要な決済注文があるかを確認します。注文が自動移行するとは考えず、操作後に注文履歴・約定履歴を照合します。
例えば10日目に満期が来る契約Bを30日保有したい場合、上の「B=1,100円」は使えません。10日目までの旧契約と、その後20日の新契約に分け、新しい売買費用・持越し費用・両替費用を見積もります。限月間の価格差は、そのまま同額の損失や利益と決めつけず、各契約の約定価格と数量で扱います。
期限なしにも、権利処理や会社の取扱終了などにより決済期限が設定される場合があります。満期がないことは、無条件に保有を続けられる保証ではありません。価格変動やロスカットによる損失は、費用の比較とは別に考える必要があります。